トピックス

2025.08.27

機能性表示食品制度とコエンザイムQ10

1. 機能性表示食品制度の新局面

機能性表示食品の届出様式が4月に変更され、届出受理のペースが落ちている。

背景要因:

  • 昨年の健康被害問題によるチェックの厳格化
  • PRISMA声明2020準拠が必須化
  • 事業者側の新様式への不慣れ
  • 3月末の駆け込み申請による審査遅延

制度の特徴:

社会情勢に応じてルールが変わるため、情報を持たない事業者にはリスクが大きい。

業界の動き:

  • 20257月「機能性表示食品公正競争規約準備室」設置。
  • 公正競争規約への参加が業界健全化・発展の鍵。

国際的影響:

  • 台湾・中国・韓国の業界団体が日本制度を参考に。
  • 「事前届出・受理」方式が信頼を得ており、日本の制度が国際的に評価されている。

 

2. 美容・美肌分野の市場動向

機能性表示食品において、免疫機能の維持や腸内環境を整えるヘルスクレームのほか、体脂肪を減らす、睡眠の質を改善、ストレス緩和、肌の潤い、尿酸値の抑制など訴求点は多岐にわたって市場を賑わせている。

美容関連のトレンド

  • 紫外線対策需要の高まりに伴い、美白・UVケア訴求型食品が人気。
  • 腸内環境と肌状態の関連性が注目され、肌エビデンス素材 × コエンザイムQ10 の組み合わせが増加。
  • 「肌の潤い」「弾力維持」「紫外線から守る」「糖化ストレス軽減」などが受理実績多数。
  • 従来は「保湿・弾力」に限定されていたが、美容領域の表示拡大が業界全体の働きかけで進展中。

 

3. 睡眠サポート市場

1年のうちで最も睡眠の質が悪化するのは7月。

背景要因:

  • 日の出時刻が早まり、起床時間が前倒し
  • 日照時間延長で睡眠時間が短縮
  • 猛暑による寝苦しさ

健康リスク:

睡眠の質が悪化することで、様々な疾患の発症リスクが高まることが指摘されている。

市場動向:

  • 睡眠改善を訴求する機能性表示食品が拡大しており、コエンザイムQ10が睡眠サポート機能で機能性表示食品に認可。
  • 睡眠市場は国内のみならず世界的に需要が増加中で、輸出拡大も期待されている。

参照;ヘルスライフビジネス 第857号 2025年8月15日発行